『イナズマイレブン オンライン』特別企画“イナズマ科学研究所”第1回はゴッドハンド!

 ゴッドハンドは、雷門中のキャプテン・円堂守が得意とする必殺技だ。

 シュートが来ると、円堂は「ゴッドハンド!」と叫んで、上体を後ろにひねる。すると、円堂の頭上に、輝く巨大な手のひらが現れる。円堂が勢いよく右手を前方に突き出すと、巨大な手のひらも前方に突き出され、ボールを止める。やがて手のひらは虚空に消え、ボールは円堂の右手に収まっている……。現実世界で目の当たりにしたら、誰もが我が目を疑う超常現象。まさに超次元サッカーの象徴だ。

 この技の最大の謎は「あの巨大な手のひらは何なのか?」ということだ。

 多くのマンガやアニメには“気”というものが登場する。ゴッドハンドの巨大な手のひらは、まさに“気”が実体化したように見える。ところが、その肝心の“気”が、科学ではまったく解明されていないのだ。ここは、“気”に気を取られることなく、あくまでも現実の科学で考えてみよう。

 ゲームの画面を見ると、巨大な手のひらは円堂の手から出ているように見える。手を前方に突き出すことで、手から飛び出すものといえば、何だろう? しかも光を放つとしたら、その正体は? ……少しややこしい話になってしまうが、ひょっとしたら、円堂の手のひらに含まれる「電子」ではないだろうか!?

 電子とは、この宇宙のあらゆる物質に含まれる小さな粒だ。もちろん、人間の体にも電子は大量にある。物質を作る原子は、プラスの電気を持った原子核を、マイナスの電気を持った電子が取り囲むという構造になっている。そしてこの原子核の周囲にある電子は、エネルギーを与えられると、外へ飛び出すことがある。

 代表的な例は、蛍光灯だ。電気のエネルギーで電極から飛び出した電子が、蛍光管の内側に塗った蛍光塗料にぶつかって光を出させる仕組みになっている。

 また、宇宙から大きなエネルギーを持った電子が飛んできて、空気にぶつかると光が放たれる。これが北極や南極の上空で起きるのが、オーロラだ。

 そして「電子が飛び出す」、「空気を光らせる」というふたつの現象が組み合わさったのが、何あろうイナズマだ! 雷雲に電気がたまり、限界に達すると、雲の近くの空気から電子が飛び出す。これが下の空気に衝突して新たな電子を飛び出させ、空気を光らせる。これが次々にくり返され、地上に達するのがイナズマなのだ。

 ここから推測するに、ゴッドハンドとは、腕を勢いよく突き出すエネルギーで、自分の手のひらから電子を飛び出させ、空気にぶつけて光らせる技ではないだろうか!?

 サッカーの試合で、そんな大規模な現象が起きているとは、我ながら大胆すぎる仮説という気もするけれど、ここまでしないと解明できないのが、超次元サッカーなのだ。

 上記の仮説を採用すると、ゴッドハンドで見られるいくつかの現象に、納得がいく。まず、ボールが巨大な手のひらの中心、すなわち円堂の手のひらに吸い寄せられるという現象。電子は円堂の手のひらから放たれるのだから、手のひらに近いところほど、大量の電子が存在しているはずだ。電気を帯びたものは、周囲の物体を引き付ける静電気力を持つ。冬にコートやスカートの裏地が体にまとわりついた経験があると思うが、それも静電気が起こす現象だ。その力の強烈なヤツによって、ボールは円堂の手に吸い寄せられるのだろう!

 さらに、電子にも重さがあるので、大量の電子を猛スピードでぶつければ、飛んでくるボールの勢いを弱めることも可能だ。だからこそ、ゴッドハンドは、なみいるストライカーたちのシュートを止められるに違いない。

 体から電子を放出すると、体を構成する電子がなくならないか心配になるが、円堂は地面に立っている。不足した分の電子は、地面から移動してくるだろうから、きっと大丈夫!

 ここまでの推測が正しいとしたら、円堂はゴッドハンドを出すために、どれほどの勢いで手を突き出しているのだろうか。それを可能にする速度は、原子の種類によっても違う。人体の65%を占める酸素の原子で計算すると、電子を飛び出させるための速度とは、時速790万キロメートル、つまりマッハ6400! そのスピードは、ライフル弾の2000倍。パンチ力に換算すれば180億トンにもなる!

 さすが、雷門中のエンドを守る円堂守。すばらしいと称えるしかないゴールキーパーである。

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